『酢豚』とは、ご存じの通り下味を付けた豚肉と各種野菜に衣をつけて油で揚げ、甘酢あんを絡ませた中華料理のこと。
ここにパイナップルという南国の果実を入れるということに対する論争が度々起こります。
この論争は、約50年ほど続く「きのこの山派」「たけのこの里派」を争う【きのこたけのこ論争】並みに激しいものです。
わたしもそれほど親しくない相手と会話をする際、話題のひとつとして用いることがあります。
パイナップルをなぜ『酢豚』に入れたのか
『酢豚』が生まれたのは約4oo年前の中国。
中国がまだ「清」の時代です。
日本はというと、徳川家康が江戸幕府を開いた頃です。
酢豚のパイナップルは、貿易港として栄えた上海にて外国の要人をもてなすために高級感のある料理を出そうとしたのがきっかけで、当時は1個あたり100万円近くもするような高級食材であるパイナップルを入れたとされています。
始まりは高級な果実を料理に入れることで、要人をもてなそうという心意気から生まれた料理ということのようです。
パイナップルにはお肉を柔らかくする効果がある!?
「パイナップルにはお肉が柔らかくする効果がある!」という話も聞きます。
現代に生きるわたしたちにとってそれが理由で酢豚にパイナップルを入れている方も少なくないかもしれません。
確かにパイナップルには「ブロメライン」と呼ばれるタンパク質を分解する酵素が含まれています。
しかし、この酵素は熱に弱く、60℃以上に加熱すると効果が消えてしまうのです。
調理の過程で火を入れる酢豚の具材としてパイナップルを入れても、無意味!!
この酵素の効果を活かしたいのであれば、すりおろしたパイナップルで豚肉を漬け込んでから調理するのがおススメです!
あ、もちろんこのとき使うパイナップルは生のもの。
缶詰のパイナップルは、缶詰になる過程で加熱処理されていますので、酵素はもういません。。。
『酢豚』にパイナップルはあり?なし?
今回は、酢豚にパイナップルが入れられた理由。
そして、その効果という側面から酢豚とパイナップルの相性について考えていきました。
今では単純に酢豚をさっぱりさせたいという目的がほとんどなのかなと思います。
みなさんは、酢豚にパイナップル「あり派」「なし派」どちらですか?
感覚的には、「なし派」が多いのかな?という印象です。